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京都大学 医生物学研究所

第1278回 エボラウイルスの複製機構の解明 1)ヌクレオカプシドの輸送機序、2)VP30リン酸化の分子機序

日時: 2017年11月6日(月)15:00~16:30
場所: 京都大学ウイルス再生研2号館(旧ウイルス研本館)  1階セミナー室(104号室)
演者: 髙松 由基 博士 (Postdoctoral researcher Institut für Virologie, Philipps-Universität Marburg, Germany)
演題: エボラウイルスの複製機構の解明 1)ヌクレオカプシドの輸送機序、2)VP30リン酸化の分子機序

講演要旨

エボラウイルス(EBOV)は重篤な出血熱症状を引き起こす人畜共通感染症であり、ヒトで高い致死率を示す。特異的治療法は確立しておらず、感染実験には高度安全実験施設(BSL-4)を必要とする。我々はフィロウイルスのライフサイクルを詳細に解明することで、新しい治療法の開発に貢献したいと考えている。本発表では、1) ヌクレオカプシドの輸送機構、2) VP30リン酸化の分子機序 について最新の研究成果を紹介する。

1) ヌクレオカプシドの輸送機構 本研究では、ウイルスタンパク質VP30、VP35、VP24を蛍光タンパク質でそれぞれ標識することでEBOVの非感染性ライブセルイメージングモデルを構築し、NCの輸送に必要なウイルス因子を同定した。この方法は、他のウイルスでも応用が可能であると共に、抗ウイルス薬のスクリーニングに有用である。

2) VP30リン酸化の分子機序 ウイルスタンパク質のリン酸化は、複数のRNAウイルスで重要な働きを持つ。VP30はEBOV特異的な転写因子であり、VP30のリン酸化が転写と複製をスイッチすることがわかっている。VP30を脱リン酸化するホスファターゼとしてPP1・PP2Aは同定されているが、VP30をリン酸化するキナーゼは不明であった。我々はVP30をリン酸化する“キナーゼX”を同定し、EBOVのライフサイクルに与える影響を評価した。本研究は、可逆性VP30リン酸化の鍵となるファクターを明らかにし、VP30のリン酸化に焦点を当てた新たな治療アプローチを示唆する。

主 催 京都大学ウイルス・再生医科学研究所
連絡先 ウイルス感染研究部門 微細構造ウイルス学分野 野田 岳志 (TEL:751-4020)